今現在、新型コロナウィルス感染予防対策として、医療機関、介護施設等家族でも面会が出来ない所があります。
晶子さんも半年以上入院生活を送っておられますが、なかなか難しい血液の疾患と闘いながら、尚、孤独とも
闘っておられるようです。
80代の晶子さんには、スイスに娘さんがおられるのですが、2,3日前にその娘さんがお参りに来てくださいました。
聞けば3週間前に羽田に着いて、PCR検査を受け、2週間東京で自主隔離をしてから福岡のお母さんに会いに来たとのこと。
しかしながら思うように会えず、難しい病状のお母さんを案じながらお盆参りに来てくださったのです。
良くなる見込みがなさそうなこと、万が一の場合どうしたら良いのか、様々な悩みを一人で背負って苦しんでおられる様子でした。
けれども、外出許可が出されるかどうかわからないが、お母さんを一旦自宅へ連れて帰り、お仏壇の前で一緒に手を合わせることが
できれば…という願いがとても強いようでした。
目連尊者が、地獄に落ちた亡き母親を救うために行った供養から始まったお盆。
親孝行なんて、なかなかできる事ではありませんが、親がこの世に存命の内に何でもしておくことだと痛感しました。
病気で苦しむ晶子さんに娘さんがしてあげられることは、ずっとみ教えに支えられてきたことに対してただ共に合掌すること。
今までに聞いたことのない、最高の親孝行だと涙しました。
コロナ禍のお盆で、例年より寂しい3日間でしたが一隅を照らしてくれました。
ただただ南無阿弥陀仏。